久留米脳梗塞リハビリサービスが考える自費リハビリ

脳梗塞患者と語るリハビリスタッフ
脳梗塞患者と語るリハビリスタッフ

久留米の脳梗塞リハビリにおいても、自費リハビリが話題となりつつあります。

この数年間で、東京を中心にして脳梗塞へ特化した自費のリハビリ施設が増えています。医療や介護の保険制度と異なる、新しいリハビリのあり方についてご紹介しましょう!

久留米でも脳梗塞の自費リハビリ

久留米でも、脳梗塞の自費リハビリを求める声が上がっています。

全国レベルでは、既にマスコミでも話題となりました。

皆さんも、「脳梗塞リハビリ○○」や「脳梗塞○○ステーション」などの名称を聞いたことがないでしょうか?

2014年に、株式会社ワイズという会社が、脳梗塞リハビリセンターを開設したことが最初のきっかけだっと思います。

その後、ワイズは東京都内だけでなく、全国に支店や提携店をオープンさせています。

ワイズ以外にも、個人レベルから会社レベルまで、多くの施設が開設されています。私の地元福岡県においても、福岡市を中心にいくつかの名前を聞くようになりつつあります。

実は、これらの背景には、さらに数年前にさかのぼる「リハビリ難民問題」の存在があります。

リハビリ難民問題も背景に

リハビリ難民問題とは、2006(平成18)年度の診療報酬改定を発端に起こりました。2005(平成17)年度までは、リハビリの診療報酬に期間的な制限はありませんでした。例えば、数年に渡って入院や通院をしていたとしても、毎日のようにリハビリを受けることができていました。

この、リハビリ日数制限については、多くの著名人からも厚生労働省への批判の声が挙がりました。

例えば、元東京大学教授の多田富雄氏は、2001年の脳梗塞発症後の闘病生活の最中、2006年にリハビリ日数制限問題に直面しました。当時の多田氏は、人口の多い東京都内の事情などにより、ただでさえ十分なリハビリが受けられなかったと感じていたことに加え、合併症への手術によりさらに身体機能が後退したと感じつつも懸命に努力をされていたところでした。多田氏の症状は、完全な右半身麻痺に加えて言語機能や嚥下機能まで侵されていたそうです。長年、日本の最高学府にて教鞭をとってきた氏にとっては、立てない、利き手が使えない、言葉が出ないなどの状況は、正に自分の存在を全否定されたようなものだったでしょう。さらに、嚥下障害により食物が満足に食べられないことも考えれば、生存権までもが危うい状況と言っても過言ではありません。

このように、多田氏のような境遇の多くの患者さんたちを無視して導入されたのがリハビリ日数制限であり、それにより多くの人が声を上げたことがリハビリ難民問題です。

脳梗塞リハビリ入院は180日まで

リハビリ日数制限により、回復の可能性が残されている患者さん達が早期に退院を迫られる状況は、大きな問題です。

リハビリ日数制限が導入される以前は、入院期間が数年間という患者さんも珍しくありませんでした。そして、それらの方々の中には回復期を過ぎても地道に機能改善を遂げたケースも多く存在していました。

しかし、現状は、回復期リハビリ病棟では、180日が入院期間の上限です。半年程度で、半身麻痺などの重度の障害を持った患者さん達がどこまで良くなるのか?

これについては、障害や重症度には様々な状況がありますので一概には言えません。

ただ、軽度の人も重度の人も同じ日数で良いのか?と問われると、流石にそれは良くないと思われます。

では、厚生労働省は、何を基準にこのうような日数制限を決めたのでしょうか?

実は、これには十分な根拠はないと考えられます。

たしかに、上肢や下肢の運動回復については、半年程度で回復が頭打ちになるというデータはありました。しかし、それも今日的には徐々に変わりつつあります。https://noukousokuriha.com/sejyuturei/

それ以前に、社会復帰に必要な要素は上下肢の麻痺だけでなく、健側を含めた筋力や日常生活動作能力、何よりも障害者となった自分を受け入れる障害受容と呼ばれる心理状態の獲得など、さまざまな要素が存在します。

これらを、全ての患者さん達に対して一律の日数以内で解決しなさい!、というのが現在の制度です。

自費リハビリへ流れる患者さん達

これは、あまり知られていないことかもしれませんが、リハビリ日数制限が開始された2006年の数年後の2015年には、介護保険のリハビリに変革が生じました。

リハビリマネジメントという、新たな加算体系の創設です。

厚生労働省は、リハビリ日数制限によりリハビリ難民問題が生じたことへの対応の一つとして、介護保険のリハビリを強化しようと考えたのだと思います。

介護保険制度自体は、2000年度から始まっており、当初よりリハビリ重視を謳っていました。

さらに、医療保険でのリハビリ後の受け皿として、本格的に介護保険のリハビリをグレードアップを目指しました。

このリハビリマネジメントについて、最も大きなものは医師の関与の強化でした。通所リハビリ(デイケア)や訪問リハビリにおいて、医師の関与を拡大することにより、医療機関に劣らないリハビリ体制を作ろうとしたものです。

たしかに、デイケアなどで医師が利用者の事を深く把握することは重要なことです。

しかし、このリハビリマネジメントの導入によって、多くの脳梗塞患者さん達が望むような個別リハビリの量が増えたかというとそうではありません。このころを境に、デイケアや訪問リハビリでは、最初の3か月にのみ加算をつけて、その後は徐々に通所介護(デイサービス)などへの卒業を促すという流れが出来ました。

デイサービスには、必ずしも脳梗塞リハビリの知識があるリハビリスタッフがいる訳ではありません。ただでさえ、デイケアで加算がなくなり、長くても20分間程度の個別リハビリしか無くなった上、デイサービスに卒業したら、ほぼ集団体操やレクレーションのみの世界になることが予想されます。

このような流れの中で、自費でも良いので良質のリハビリを受けたいと考える患者さん達が現れ始めたのは、言わば必然的であり、全く不思議ではないでしょう。

特に、60代以下の比較的若い方々にとっては、介護保険のリハビリは物足りなすぎると思います。また、デイケアやデイサービスは、大半がお年寄りばかりです。若い人にとっては、そのような空間に長時間いるだけでも違和感を感じるかもしれません。

私は、介護保険制度は、高齢者にとってはとても良い仕組みだと考えています。制度が立ち上がって20年以上が経ち、内容も充実していると思います。

平均寿命が延びた現在、80~90代の方々の居場所作りや機能訓練の確保などにおいて非常に重要な存在です。

しかし、比較的若い患者さん達が、少しづつでも機能回復を長期に渡って行う場としては十分ではありません。それどころか、そもそも40歳未満の患者さん達にとっては、介護保険制度自体の対象にすらなりません。

脳の回復は、年齢が若いほど可能性が高いものです。私が知る範囲でも10年以上の経過で、当初からすると驚くほど回復したケースも存在します。

日本という国が緊縮財政を続ける以上、公的制度にこれ以上の期待をすることは当面難しいかもしれません。

そのような現状において、医療、介護に続く第三の選択肢として自費リハビリが求められているのかしれません。

まとめ

久留米でも脳梗塞の自費リハビリ

久留米でも、脳梗塞の自費リハビリを求める声が上がっています。

既に、全国で脳梗塞への自費リハビリ施設が広がりつつあります。

背景には何があるのでしょうか?

リハビリ難民問題も背景に

脳梗塞の自費リハビリ施設が広がった背景には、リハビリ難民問題があります。

リハビリ難民問題は、2006(平成18)年度から始まった、リハビリ日数制限がきっかけです。

脳梗塞リハビリ入院は180日まで

現在の回復期の入院リハビリは、最長でも180日までです。

日数を超えると、介護保険のリハビリに移行しなければなりません。

自費リハビリへ流れる患者さん達

介護保険リハビリには、時間に制約があります。

現在、介護保険リハビリでは物足りないと考える患者さん達が自費リハビリを利用し始めています。

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