目次
片麻痺ブリッジ動作の正しい方法
片麻痺のブリッジ動作の正しい方法をご紹介しましょう。
意識して正しい姿勢を保持することが大事です。
先ずは、両膝を立てる姿勢を保持してみましょう。
この姿勢は、一見簡単そうに見えますが、実は難しさを含んでいます。
そして、それと同時に歩行などに必要な運動の要素を含んでいる姿勢でもあります。
両膝を立てることで、実は骨盤周囲の筋肉を刺激することができます。
特に腹筋群については、より働きやすい状況を作ります。
また、大腿については左右に倒れずに中間を保持することが練習できます。
これは、座ったり、歩いたりという動作において基本的な運動となります。
それ以外にも、足首を上に向けて曲げることができたり様々な運動効果が期待できます。
麻痺側の脚は、単独で立てることが難しい場合がしばしばあります。
これは、単に力が回復していないというだけでなく、股関節と膝関節の運動の組み合わせが難しい場合に生じます。
そのため、すでに歩けているような患者さんの場合でも、麻痺側の脚を単独で立てることは難しいこともあります。
その場合は、健側の足で助けるなどして行ってみましょう。
もし、ご家族の協力がある場合は、手伝ってもらいましょう。
体幹リハビリとなるブリッジ動作
先ほどは、ブリッジ訓練の前に正しい仰向け姿勢で両膝を立てる運動を行いました。
両膝を立てることは、意外なメリットがあります。
それは、骨盤のリハビリになることです。
骨盤に付く大きな筋肉は、腹筋群と大殿筋です。
どちらも、体幹の安定させるために重要な筋肉です。
両者は、骨盤を少し後傾させることにも作用します。
後傾とは、仰向けの場合はおへそがベッド面に近づくような運動です。
試しに、仰向けで少しだけ腹筋に力をいれてみましょう。
おへそが、ベッド面に押し付けられるような安定感があるでしょう。
このような骨盤の安定感は、座ったり歩いたりという様々な運動において重要です。
そのような、骨盤の安定間を作り出すリハビリ方法として有名なものにブリッジ動作があります。
しかし、このブリッジ動作は、多くの場合でやり方が間違っている場合が多いです。
それは、大殿筋の筋力訓練と思って行っている場合が多いからです。
そのため、ブリッジ動作で少しでも高く強くお尻を上げようとしてしまっています。
しかし、これでは、却って腹筋群の安定性が損なわれてしまいます。
ここでは、骨盤の安定性に必要な正しいブリッジ動作について考えてみましょう。
このような考え方は、ピラティスやヨガにも通じるものです。
しっかりとした体幹の安定性作りは、姿勢や動作の基盤となります。
ブリッジ動作の正しい方法
正しい仰向け姿勢で両膝を立てた姿勢から始めます。
先ず、この姿勢が安定して保持できる必要があります。
もし、難しいようでしたら、慣れるまでの間、誰かに脚をサポートしてもらいましょう。
そこで、ブリッジ動作としてお尻を上げます。
この時に注意点があります。
それは、お尻や骨盤を上げる順番を意識することです。
もし、意識せずに単純に骨盤を持ち上げると、腹筋群の安定性は生まれません。
それどころか、元々弱かったり緊張を伴う麻痺側の足は支えきれずに倒れてしまいます。
これをこのまま繰り返しても、働くのは健側の大殿筋だけです。
体幹も麻痺側もあまり働きません。
では、どのような順番が良いのかをご説明します。
先ずは、尾骨を少しだけ持ち上げます。
決して、骨盤全体ではありません。
尾骨は、一般的には尾てい骨とも呼ばれています。
この尾骨をわずか1cmで良いので上げます。
尾骨が上がっている間、おへそはベッドに押し付けられていなければなりません。
決して、尾骨とおへそが一緒に持ち上がってはいけません。
そして、それを5秒程度維持してください。
さらに、おへそがベッドに押し付けられた状態を維持しながら限界まで尾骨を持ち上げてみます。
先ずは、ここまでを数回繰り返します。
ゆっくりとした早さで、呼吸を止めないで行います。
ここまでに問題がなければ、初めて骨盤〜おへそまでも持ち上げてゆきます。
もし、難しければ、尾骨まででも十分です。
可能な場合は、尾骨〜骨盤〜おへその順番でゆっくりと持ち上げます。
そして、下げる時は、おへそ〜骨盤〜尾骨の順番で同じくゆっくりと行います。
いかがでしょうか?
難しいでしょうか?
この訓練は、回数をこなすよりも、ゆっくりとなるべく時間をかけて行えることの方が重要です。
実は、体幹の筋群には、このようなゆっくりした運動の方がリハビリになるのです。
マンネリ化したブリッジ動作は効果がある?
よく、見かけるのは、尾骨〜骨盤〜おへその順番を考えずに、とにかく10回行って終わりというものです。
リハビリ訓練には、何故か10回ルールのようなものがあります。
これには、医学的根拠はありません。
単に、時間内に一定の訓練を終わらせるような配慮から結果的に10回になっている場合が多いでしょう。
患者の皆さんが自主訓練で行う場合は、時間の制約はあまり無いと思います。
10回を素早く終わらせることよりも、1回を時間をかけてゆっくり行ってみてください。
昨日は1回だけしかできなかったとしても、今日2回できれば十分です。
そして、明日3回出来れば申し分ないと思います。
脳の学習を意識したリハビリとは、このように日々少しづつ変化があることが重要なのです。
今日も10回、明日も10回をルーチン化していては良くありません。
何故なら、脳はマンネリ化した刺激には徐々に反応しなくなるからです。
これは、生理学では常識です。
しかし、リハビリ現場では、マンネリ化した場面が良くみられます。
10回ルール以外にも、毎回同じ流れで行うなどです。
例えば、ストレッチから始めて、最後は歩いて終わりという感じです。
これは、機能を維持することには有効でも、回復のためにはあまり有効とは言えません。
実は、上手なリハビリ療法士とは、このようなマンネリ化しない工夫を常にしているものなのです。
リハビリとは、人が人に対して行う行為です。
いくら、標準化されたとしても、最後は人の技術がものを言うのだと思のいます。
私たちは、そのような人の技術を重視しています。
片麻痺ブリッジ動作の正しい方法のまとめ
片麻痺ブリッジ動作の正しい方法
片麻痺のブリッジ動作の正しい方法をご紹介しましょう。
意識して正しい姿勢を保持することが大事です。
体幹リハビリとなるブリッジ動作のまとめ
ここでは、骨盤の安定性に必要な正しいブリッジ動作について考えてみましょう。
このような考え方は、ピラティスやヨガにも通じるものです。
ブリッジ動作の正しい方法のまとめ
正しいブリッジ動作には注意点があります。
それは、お尻や骨盤を上げる順番を意識することです。
マンネリ化したブリッジ動作は効果がある?のまとめ
マンネリ化したブリッジ動作には、あまり効果がありません。
回数をこなすよりも、やり方を重視します。