目次
福岡県での脳梗塞リハビリはデイケアだけではダメ
医療のリハビリは発症180日まで
今回は、福岡県の脳梗塞への自費リハビリ事情についてご説明しましょう。
また、何故、介護保険のデイケアだけではダメなのかについて、その理由を考えてみましょう。
我が国では、平成18(2006)年から、医療におけるリハビリには疾患別の日数期限が定められました。
図は、各疾患ごと日数期限を示しています。
図には、「疾患別標準算定日数」と書かれていますが、実質的には日数期限とご理解いただいて結構です。
この日数期限が設けられてからすでに15年以上が経過して、現在ではもう当たり前のようになりました。
しかし、当時は、「リハビリ難民問題」などと呼ばれ、大きな社会問題にもなりました。
リハビリ難民問題については、
リハビリ難民200万人時代|リハビリ難民の定義・実態・解決策
という記事も参考になります。
よろしければ、ご参照ください。
また、
リハビリ難民の現状が現在も無視されつづける本当の理由|脳卒中
という記事も参考になります。
是非、こちらの方もご一読ください。
当時は、平成12(2000)年に開始された介護保険制度も未だ充実しておらず、より一層危機感が感じられたものでした、
それから、かなり時間が経過した現在では、介護保険制度によるデイケア(通所リハビリテーション)もかなり数が増えました。
また、デイサービス(通所介護)においても、「リハビリ型」「自立支援型」などと呼ばれるようなものが増えました。
デイケアとデイサービスは、その違いに分かりにくい点があるかもしれません。
細かい定義などを抜きにすると、デイケアにはリハビリ専門職である、理学療法士(PT)、作業療法士( OT)などの在籍が必須なことに比べて、デイサービスではそうではありません。
デイサービスには、機能訓練指導員が必要ですが、その必要資格は、PTやOT以外にも看護師や准看護師、あん摩マッサージ師、柔道整復師、鍼灸師なども含まれます。
また、デイケアでは個別リハビリの実施が常識であることに対して、デイサービスでは小集団の機能訓練でも法的な問題がありません。
つまり、病院と同じようにPTやOTによる個別リハビリを希望する場合はデイケアを、集団訓練や自主訓練でも良いと考える場合はデイサービスを選択するということが一般的です。
たしかに、平成18年当時に比べると、現在ではデイケアにおいてもデイサービスにおいても、リハビリ体制は随分と充実してきました。
では、現在ではリハビリ難民と言われるような方々は存在しなくなったのでしょうか?
その答えは、NOです。
私は、リハビリ難民は現在でも一定数は存在すると思います。
次には、その理由を述べたいと思います。
デイケアのリハビリは20分間が標準
その一つは、デイケアのリハビリ時間が短いということです。
図はデイケアの個別リハビリ時間を、加算項目ごとに記載したものです。
いくつかの加算において、リハビリ時間は40分間、20分間、時間規定なし、などと定められています。
急性期や回復期の病院に入院したことがある方であれば、この時間がけっして長くないということがお分かりでしょう。
医療のリハビリでは、大体2時間から3時間のリハビリ時間が確保されています。
それに比べると大分短いという印象を抱かれるのではないでしょうか?
しかし、デイケアは未だ良い方です。
これが、デイサービスになると、そもそも個別リハビリが計画に入っていなく、集団訓練のみという場合も少なくありません。
一体、これらの介護保険におけるリハビリ時間の短さの理由は何処にあるのでしょうか?
それは、介護保険でのリハビリの大前提にあります。
医療におけるリハビリのことを、急性期リハビリや回復期リハビリと称することに対して、介護保険のリハビリのことは維持期リハビリという表現をします。
もっとも、近年では次第に維持期から生活期という呼称に変わりつつあります。
いずれにせよ、介護保険でのリハビリは回復ではなく維持を目指すという印象は拭えませんし、実際に厚生労働省の役人もそのように考えています。
機能の回復ではなく機能の維持であれば、20分間や集団訓練でも十分であろうという発想が伺えます。
しかし、良く考えてみると、脳梗塞などの脳卒中を発症して、半年以内で回復期から維持期へ移行して、介護保険のデイケアなどが限られたリハビリの場となるのです。
本当に、脳卒中後遺症の回復とは、発症から半年程度が限界なのでしょうか?
実は、そうではありません。
海外では180日越えの改善報告多数
日本では、あたかも発症から180日が回復の限界であり、それに合わせて医療リハビリの日数も設定されていると考えがちです。
しかし、海外の常識はそうではありません。
Google Scholarより
図は、Google Scholarの検索結果です。
「chronic(慢性期) stroke(脳卒中) rehabilitation(リハビリテーション)」という3語で検索するとずらりと論文リストが検索されます。
これは、1ページ目ですから、他にも無数に存在します。
実際の慢性期の定義も様々です。
180日以上というものもあれば、数年というものまであります。
いずれも論文でも、機能回復の内容が報告されています。
これだけを見ても、日本の常識と世界の常識が異なることは明らかです。
つまり、日本における180日の期限とは、保険診療の枠を絞りたいという国の意図があると言って良いでしょう。
このような状況においては、脳卒中後遺症のリハビリ難民は現在も存在すると言っても良いのではないでしょうか?
福岡県の脳梗塞の自費のリハビリ事業所
福岡市の脳梗塞自費リハビリ事業所
では、そのようなリハビリ難民の方々を救済する意味でも受け皿はあるのでしょうか?
それは、自費リハビリであると言えるでしょう。
自費リハビリは、保険外のサービスです。
現在のところ、法的な根拠がないサービスです。
しかし、だからと言って信頼が置けないものとは言えません。
様々な事業所があり、玉石混交という一面はあります。
しかし、事業所を良く選べば、保険内サービスよりも良い面があることも事実です。
以下に、福岡市で数年の歴史がある事業所を見てみましょう。
脳梗塞リハビリセンター
2014年に東京を中心に立ち上げられ、その後全国に広がった自費リハビリ事業所です。
福岡では、福岡市西区のイオンマリナタウン店 2階にあります。
脳梗塞リハビリステーション福岡
福岡でいち早くオープンしたのは、脳梗塞リハビリステーション福岡です。 場所は、福岡市中央区天神の天神応順ビル7階です。 こちらは、全国に直営・提携店舗があり、海外ではバンコクにも進出しているようです。
福岡市には、その他にも多くの事業所が存在します。
久留米市の脳梗塞自費リハビリ事業所
福岡県第3の都市である久留米市周辺にも、いくつかの事業所があります。
久留米脳梗塞リハビリサービス
こちらは、福岡県の久留米市・筑後市・八女市を主なエリアとしています。 店舗を持たない、訪問特化型で運営中です。
福岡県では、これからも多くの自費リハビリ事業所が増えてゆくでしょう。
次は、その理由について解説してゆきましょう。
福岡県で脳梗塞への自費のリハビリが注目される理由
全国の都市圏ではもはや常識
九州や西日本の中核地と言える福岡県ですが、今後も自費リハビリの事業所は増え続けるでしょう。
むしろ、全国の都市圏の中ではやや出遅れているぐらいなのかもしれません。
普及する脳梗塞リハビリ施設
船井総研 「脳梗塞リハビリ業界2023年時流予想レポート」より
図は、船井総研のレポートからです。
自費リハビリ事業所は、2022年には全国で200店舗を数えるそうです。
全国的には、自費リハビリは都市圏を中心にもはや常識という印象です。
福岡の恵まれたリハビリ体制
それに加えて、福岡県にはさらなる強みがあります。
厚生労働省 医療従事者の需給に関する検討会 理学療法士・作業療法士分科会(第1回)
図は、少し古い資料ですが、2014年時点での全国の都道府県の人口10万人当たりのOT数のグラフです。
西日本は、軒並みに平均を超える数ですが、福岡県もかなり多い数を誇っています。
つまり、福岡県には、リハビリの担い手であるリハビリ専門職のマンパワーが多いということが言えます。
現在は、医療や介護分野で働くPT OTが大半ですが、今後はその中の一部が自費リハビリ業界へと流れてくることが予想されます。
福岡は、自費リハビリが成長する基盤が整っていると言えるでしょう。
効果の違いを売りにする自費リハビリ
先ほど、自費リハビリ事業所には未だ玉石混交の面があると述べました。
利用者の立場では、けっして安くない利用料を払うのですから、デイケアなどのリハビリとどのような違いがあるのかは重要です。
その違いの一つは、提供時間です。
多くの脳梗塞などの脳卒中対象の自費リハビリ事業所では、提供時間を60〜90分間などの長めの設定としています。
これは、デイケアのリハビリへの最大の不満とも言える時間の短さに対して対応していると言えます。
また、ロボットや低周波刺激を組み合わせるような最新のテクノロジーの提供や、先端医療とのコラボを売りにしているところもあるようです。
ただ、個人的に思うことは、リハビリとは結局は人が人に行う分野であるということです。
綿密な評価、適切な技術、小さな変化も見逃さない観察力、利用者のモチベーションを高める声かけの仕方など・・・・・
これらが総合的に作用することで、慢性期での機能改善や利用者満足度の向上に結びつくのだと考えます。
我々には、そのようなトータルな技術の高さと効果の追求が必要なのだと思います。
久留米脳梗塞リハビリサービスHPより
図は、久留米脳梗塞リハビリサービスのHPからの引用です。
代表の永田による、過去の論文から抜粋しています。
慢性期の片麻痺22例を対象に、30日間の集中的リハビリを実施した結果、統計学的に有意な改善を認めたという報告です。
リハビリ内容は、運動促通手技と言われる徒手的な施術技術を応用したものです。
にも掲載されています。
このように、客観的な効果をアピールする事業所も存在することは事実です。
もちろん、脳梗塞などの脳卒中の病態は非常に個人差が大きいものです。
一般の医療と同じように、全ての利用者に効果がある方法は存在しないのだと思います。
しかし、それを踏まえた上でも、効果を追求する必要があります。
そのような姿勢の事業所は、ある程度信頼できるのではないでしょうか?
福岡で脳梗塞への自費のリハビリを探す!|デイケアだけではダメな理由のまとめ
福岡県での脳梗塞リハビリはデイケアだけではダメのまとめ
現在、脳梗塞などの脳卒中への医療のリハビリは発症180日までと定められています。
そして、医療リハビリ後の主な受け皿である、介護保険によるデイケアのリハビリは1回20分間が標準です。
つまり、公的保険によるリハビリの量は、脳卒中の発症後半年程度で大きく減少します。
福岡県の脳梗塞の自費リハビリ事業所のまとめ
福岡県には、既に多くの自費リハビリ事業所が存在します。
そして、今後はさらに増えるものと思われます。
福岡県で脳梗塞自費リハビリが注目される理由のまとめ
全国の都市圏では、すでに常識化されつつある自費リハビリです。
福岡県はやや出遅れた感もありますが、今後はさらに充実すると思われます。