脳梗塞の脈拍測定について｜リハビリに必要なバイタルサイン測定とは

どうしましたか？

なるほど、いろいろと現場では悩みますよね。

では、今回は、脳梗塞などへリハビリを行う場合のバイタルサインや脈拍測定について勉強しましょう！

では、次の図を見てください。

バイタルサインは、生命徴候とも呼ばれます。

一般的には、体温、脈拍、血圧、呼吸などのことを指します。

これらは、患者さんの全身状態を把握する上で重要です。

リハビリを実施する際にも、極めて有効な情報となります。

体温は、熱の産生と放散が適切に行われているかをみます。

脈拍は、心臓の拍動数やリズムが適切かどうかをみます。

血圧は、血管にかかる圧力から循環動態をみます。

血圧については、次の記事も参考になります。

よろしければ、ご一読ください。

呼吸は、酸素を体外から体内に十分取り込めているかをみます。

もちろん、あります。

まずは、訓練を行わない方が良い場合です。

次の図をご覧ください。

次は、途中で訓練を中止する場合の基準です。

次は、訓練を一時中止し、回復を待って再開する際の基準です。

それでは、さらに、今回のテーマである脈拍について、詳しく学びましょう。

次の図を見てください。

脈拍とは、なんでしょうか？

心臓の収縮により、血液が送り込まれると大動脈の内圧が高まります。この圧力の高まり（≒脈波）が末梢動脈に伝わると脈拍として触知されます。

そうです。

ただし、心拍出量が低下した場合や、血管に狭窄や閉塞がある場合は、心拍数と脈拍が一致しないことがあります。

そのような時は、心拍と脈拍の同時測定をする必要があります。

次は、脈拍の触知部位についてです。

橈骨動脈以外も知っておきましょう。

先ずは、触知の際の指の使い方についてです。

示指（人差し指）・中指・環指（薬指）の3本の指の腹を動脈に軽く当てて触知します。

注意としては、

①母指で触知してはいけません。母指の動脈は他の指に比べて太いため、自分と患者さんの脈拍を間違える可能性があります。

②指の先で触れることも避けてください。爪などで痛みを与える可能性があります。

③強く圧迫することもダメです。血流が途絶する危険性があります。

橈骨動脈は、撓側手根屈筋の横にあります。

撓側手根屈筋や長掌筋の腱は、上図の写真のように浮き上がりやすい状態にあります。

比較的簡単に見つけることができます。

次は、上腕動脈の触知です。

次の図を見てください。

上腕l動脈は、上腕二頭筋の内側を走行しつつ、徐々に中央全面に近づき、肘の中央よりもやや内側で触知できます。

前腕を支えつつ、肘関節の中央よりやや内側に指をあてて触知します。

続いて、下肢での動脈触知についても触れます。

次の図をごらんください。

先ずは、大腿動脈です。

大腿動脈は、鼠径靭帯の直下を走行しています。

比較的に深部を走行しているため、脚の付け根の中央やや内側を圧迫気味に触知します。

そうですね。

それについては、後で詳しく説明しますね。

次は、足背動脈です。

次の図をご覧ください。

ここは、しばしば触知する機会があります。

例えば、上腕で血圧測定ができない場合などです。

この足背動脈を探して、血圧測定をすることがあります。

例えば、脳梗塞による片麻痺の患者さんの場合で、非麻痺側の腕で点滴を行なっている時などです。

片麻痺の場合は、基本的には麻痺側では脈拍も血圧も測定しません。

このような場合は、下肢での血圧測定が望まれます。

ただ、上の図のように、足背動脈が触知できない場合は、後脛骨動脈を用いる場合もあります。

併せて触知できるようになると良いでしょう。

足背動脈が触知できない原因としては、血管の狭窄や閉塞、心拍出量の低下などが考えられます。

脈拍を触知できる部位と血圧には関係性があります。

次の図をご覧ください。

通常、脈拍測定に用いやすい橈骨動脈では、収縮期血圧が80mmHg以上ないと触知ができません。

同様に、大腿動脈では、70mmHg以上、総頸動脈では60mmHg以上、収縮期血圧がないと触知ができません。

先ほど、リハビリを控える場合の脈拍値基準として、120/分以上というものを示しました。

ただし、脈拍数は、子供・成人・高齢者などで基準値が異なります。

患者さんの年齢を考慮して、脈拍測定を行うことも重要です。

脈拍数の基準値は、成人では60~90/分とされています。

しかし、乳児や小児ではより多く、高齢者ではより少ないことが知られています。

その通りです。

次の図をご覧ください。

脈拍数の異常は、脈拍数が多すぎる頻脈か、脈拍数少なすぎる徐脈に分かれます。

脈拍数には様々な因子が影響を与えます。

脳梗塞リハビリなどで、運動を行うことは、それ自体が脈拍数を増加させる因子となります。

脈拍数が増え過ぎたら、適切に休憩を入れることが必要です。

次は、リズム不整について見てみましょう。

正常なリズムは、一定間隔です。

それに対して、リズム不整では、脈が早くなったり、抜けたり、リズムが不規則となります。

リズム不整の中には、病的なものがあります。

期外収縮や、絶対的不整脈には注意が必要です。