介護保険リハビリの課題 

リハビリ時間が短い

回復期リハビリテーション病棟などと比較して、退院後のリハビリはけっして時間が長くはありません。

現在は、要介護認定を受けるとリハビリは原則的に介護保険が優先となります。

介護保険リハビリの代表と言えるのが、通所リハビリテーション(デイケア)ですが、

通所リハビリテーションのリハビリ時間は平均的に20分程度です。

これは、回復期リハビリテーション病棟の最大3時間のリハビリ時間と比較するとあまりに短いと言えます。

そこで、意欲的な利用者の中には、介護保険リハビリに加えて保険外(自費)リハビリを選ぶ方が増えつつあります。

介護保険リハビリの目的は現状の維持と生活機能の向上

脳卒中後に身体に後遺症が残った場合、多くの利用者は上下肢などの身体機能の回復を望みます。

しかし、介護保険リハビリの目的は、必ずしも身体機能の回復ではなく、現状の維持や生活機能の向上です。

生活機能とは、日常生活活動(身の回り動作など)のことです。

生活機能の多くは、健側の手足を使って自立を目指すものです。

そのため、介護保険のリハビリでは必ずしも利用者が望むような上下肢の回復訓練は行われない可能性があります。

そこで、介護保険のリハビリに加えて、保険外(自費)リハビリを取り入れることが有効です。

脳卒中は慢性期でも改善するというエビデンス

介護保険サービスを受ける時期のことを、「生活期」「維持期」とも呼びます。

このような呼び方から、病院を退院して介護保険に移行すると、リハビリ目的は「維持」という印象を受けます。

しかし、一方では、海外論文を中心に慢性期の改善事例が多く報告されています。

これは、我が国ではあまり知られていませんが、実は日本の脳卒中治療ガイドラインにも一部紹介されている事実です。

慢性期の改善には時間や手間がかかることから、わが国での介護保険の短時間のリハビリでは追及できないということが実情と言えます。

これらの課題に対して、保険外(自費)リハビリを有効活用することが理想と言えます。