片麻痺の座り動作

片麻痺の座り動作に必要なもの

片麻痺の下肢の機能で重要なのは、筋力だと思っていませんか?

元々、立ち上がったり座ったりという動作は、それほど下肢の筋力に依存した動作ではありません。

特に、座り動作については、力の入れ方よりも段階的に力を抜くことの方が重要です。

多くの場合で、麻痺側の下肢には突っ張る様な筋肉の緊張が存在します。

そのような下肢の場合は、特に座り動作において危険があるかもしれません。

つまり、突っ張った下肢の力を抜こうとすると突然膝折れが起こる可能性があります。

膝折れの原因には、筋力の低下に加えて、膝を過伸展位でロックしてしまうことなどがあります。

ロックが外れてしまうと、急激に膝折れが起きて危険です。

ゆっくりと座ることが大事

前回まで、立ち上がりから立位までについてをご紹介しました。

立位がとれたら、次はゆっくりと座ります。

ここでも、いくつかの注意点があります。

先ほど申し上げましたが、立ち上がり動作を反復すると、どうしても下肢の筋力強化のイメージが湧いてくるかもしれません。

そうすると、立ち上がりがメインの運動で、座る時は単なる通過儀式的な印象になります。

しかし、それでは訓練としては不十分です。

座る動作こそ、筋力ではなく体幹とバランスを意識する必要があります。

バランスとは、僅かな重心移動に対応することです。

また、その時に膝のコントロールとそれに伴う骨盤の動きなども必要です。

きちんとした立位がとれているか?

立ち上がりの直後は、まだ股関節が十分伸びていないことがあります。

麻痺側が特にそうでしょう。

丁度、お尻が後ろに引けたような姿勢になっているかもしれません。

そのような場合は、もう一度、お尻を少し前に出すようにして股関節を少し伸ばしてみましょう。

ここで、注意点があります。

お尻を前に出して股関節を伸ばすと、それまで固定されていた膝が緩んで膝折れが起きる場合があります。

必ず、手すりなどに手を添えて行ってください。

先ずは両膝を少し緩める

先ずは膝を少し緩める

次に、両膝を少し緩めます。

立ったり座ったりの動作は、あたかもスクワット運動を連想させます。

しかし、ここではスクワットによる筋力強化よりも、バランス訓練を優先します。

いきなりお尻を引いて座り込むと尻もちの危険性あり

いきなり、スクワットのようにお尻を引いて座り込んでしまうと、重心が急に後ろに傾き尻もちをつく形となります。

尻もちは、転倒転落の危険が増える他、高齢者では骨折などの原因ともなります。

ここでは、先ずは、お尻を引かずに両膝を少し緩めてみましょう。

手すりなどに手を添えて、膝折れに注意します。

何度か膝を緩めて急激な膝折れがなければゆっくりと座る

何度か行ってみて、急激な膝折れがないことが確認できたら、ゆっくりと椅子に座ります。

注意点としては、椅子がずれたりして、座った時のお尻の場所から移動していないかを確認して座りましょう。

ここでのポイントは、膝を緩めて座る動作において、自然に前後上下の重心移動が行えることです。

この時に、膝折れなく、スムースに座ることができれば成功ということになります。

ただ、ご自分の姿勢はなかなか自分では確認できないものです。

難しいと感じた場合は、決して無理をしないで、専門家にもご相談ください。

片麻痺の座り動作のまとめ

片麻痺の座り動作に必要なもののまとめ

片麻痺の座り動作については、力の入れ方よりも段階的に力を抜くことの方が重要です。

突っ張った下肢の力を抜こうとすると突然膝折れが起きて危険な可能性があります。

ゆっくりと座るのまとめ

立位がとれたら、ゆっくりと座ります。

座る動作こそ、筋力ではなく体幹とバランスを意識する必要があります。

きちんとした立位がとれているか?のまとめ

立ち上がりの直後は、まだ股関節が十分伸びていないことがあります。

お尻を前に出して股関節を伸ばすと、それまで固定されていた膝が緩んで膝折れが起きる場合があります。

先ずは両膝を少し緩めてから座るのまとめ

いきなり、スクワットのようにお尻を引いて座り込んでしまうと、重心が急に後ろに傾き尻もちをつく形となります。

何度か膝を緩めて急激な膝折れがなければゆっくりと座ります。

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