片麻痺の体幹リハビリを座位で行う方法

鍛えた体幹の男女

片麻痺の体幹リハビリは正しい座位姿勢で

片麻痺の体幹リハビリは正しい姿勢で行います。

正しい姿勢では、体幹の筋肉群が働きやすい状態となります。

そして、それにより脳が反応して回復を促すという側面があります。

例えば、腹筋群は体幹の中でも特に重要な筋群です。

しかし、腹筋群は、他の筋肉に比べると骨格の支えが少ないということが言えます。

そのため、姿勢により腹筋群の働き方は良くも悪くも影響されるのです。

一般に、背筋を伸ばして真っ直ぐな座り姿勢をとると腹筋群は働きやすいので、ウエストの周囲が引き締まって見えます。

一方で、猫背などで脱力して座っていると、腹筋はゆるんでしまいます。

脳梗塞などによる片麻痺の患者さんのでは、多くの場合で腹筋群は働きづらくなっています。

そのため、意識して正しい座位姿勢をとる必要があります。

ここで言う正しい姿勢とは、背中を真っすぐに伸ばした姿勢のことです。

座位で体幹を動かす

体幹は、私たちの姿勢や動作に大きな影響を及ぼします。

しかし、その反面、生理学的には無意識の制御が主なため、意外にも自分自身で体幹の動きを自覚することがあまりありません。

近年は、リハビリだけでなく、美容やスポーツトレーニングなどの分野においても体幹が注目されています。

美容では、ヨガやピラティスが人気のようです。

スポーツにおいては、サッカーの長友選手が本を出版するなどしていますね。

ヨガやピラティスでは、体幹を意識して使います。

決してジムのトレーニングのように、強い負荷を用いるものではありません。

また、ランニングなどのような有酸素運動でもありません。

そのため、短期間で筋肉が発達したり、体脂肪が減少してダイエットになるというものではないでしょう。

ヨガやピラティスは、ゆっくりと持続的な動きをやや長い時間行います。

実は、これは体幹の筋肉の性質をうまく捉えた運動と言えるのです。

体幹の筋肉の特徴は、ゆっくりとした強くない収縮を持続的に継続できることです。

リハビリでは、本来はそのような無意識的な体幹の活動をあえて意識して訓練する必要があるのです。

その中でも特に腹筋群は重要です。

体幹の腹筋群の役割

腹筋運動というと、多くの人が、起き上がり運動で腹直筋を鍛えるような場面を思い浮かべるでしょう。

たしかに、これも腹筋の活動の一つではあります。

しかし、腹筋群には腹直筋以外にも腹斜筋や腹横筋などもあります。

これらは、どちらかと言うと、腹直筋のようなダイナミックな動きよりもやや静的な安定感のある動きを作ります。

体幹の内部には胃や腸などの内臓があります。

また、呼吸を行う肺も体幹の中に存在します。

そのような内臓を保護したり、呼吸を調整したり、姿勢を保持したり、手脚の動きの安定を確保することが腹筋群の重要な役割です。

座位で骨盤を倒して身体のコアを強くする

では、そのような腹筋群の働きを高め、身体のコア(芯)を強くする場面をご紹介しましょう。

写真のように、先ず、骨盤を立てて背中を真っ直ぐに伸ばしてみましょう。

難しい場合は、可能な範囲で結構です。

そこから、次の写真のように、骨盤を後ろに倒してみましょう。

尾骨(尾骶骨)が座面に着くぐらいまでです。

この時に注意ですが、身体を丸くする意識ではなく、あくまで骨盤を後ろに倒すことを心がけます。

上半身の背中は、可能は限り伸ばしておきましょう。

よくない例は、いわゆる円背や猫背になってしまい、上半身が丸くなってしまうことです。

これでは、重心が前に偏位するので、腹筋群を使うことができなくなります。

まっすぐに伸びた姿勢から、なるべく上半身は丸くならないようにしながら、骨盤だけを後ろに倒すような意識が大事です。

尾骨が座面についたら、そのまま5秒保持します。

もし、後ろに倒れそうになったら無理をせずに、つきやすい方の手で身体を支えましょう。

また、念のために、座面の周囲には安全のために物を置かないようにします。

5秒保持できたら、元の背中を伸ばした姿勢にもどります。

さらに、これを5回反復してみましょう。

呼吸については、息を止めずに行います。

慣れてきたら、骨盤を倒す動きに合わせて息を細く長く吐いてみましょう。

このように説明すると、簡単に思えますが、何らかの運動障害がある方にとっては決して楽な場面ではありません。

骨盤は、人間の重心の位置に相当します。

重心とは、止まった姿勢でも体重のほぼ全てがかかる場所です。

そして、さらに少しでも動くと、加速度の関係で体重以上の力が作用する場所です。

つまり、この重心の位置を僅か1cmでも後ろに動かすとかなりの力が腹筋群に負荷を与えることになります。

実はそれだけ難しい動きでもありますので、決して無理をせずに可能な範囲で行ってみて下さい。

体幹における円背や猫背との違い

ここで、この骨盤を倒した姿勢といわゆる円背や猫背との違いを見てみましょう。

写真の左が正しい姿勢、右が間違った円背姿勢です。

左は、上半身が伸びたままなので、上半身の重心がかなり後ろに移動している印象があると思います。

それに対して、右は、上半身が前屈みになっているため、重心は前に偏って見えるでしょう。

見た目は、少しの違いのようですが、重心の位置とそれに伴う腹筋群の働き方には大きな違いがあります。

ただ、冒頭でご説明したように、体幹の動き方はなかなか自分では意識しづらいものです。

写真を撮ったり、鏡で見て始めて気づくことも多くあります。

上手く出来ない場合は、無理をせずに専門家にもご相談下さい。

片麻痺の体幹リハビリを座位で行う方法のまとめ

片麻痺の体幹リハビリは正しい座位姿勢でのまとめ

片麻痺の体幹リハビリは正しい姿勢で行いましょう。

背中を伸ばした正しい姿勢では、体幹の筋肉群が働きやすくなります。

そのため、脳や身体の回復にメリットがあります。

座位で体幹を動かすのまとめ

体幹は、動作や姿勢に大きな影響も及ぼします。

近年は、リハビリだけでなく、美容やスポーツトレーニングなどの分野においても体幹が注目されています。

体幹の腹筋群の役割のまとめ

腹筋群には、様々な役割があります。

その中には姿勢の安定を高める機能もあります。

座位で骨盤を倒して身体のコアを強くするのまとめ

骨盤の動きは身体のコアを強くします。

正しい動き方を知りましょう。

体幹における円背や猫背との違いのまとめ

正しく骨盤を倒す運動は円背や猫背とは異なります。

上半身を伸ばして骨盤を後ろに倒すことが重要です。

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