目次
福岡県久留米市周辺での脳梗塞リハビリ
今回は、福岡県久留米市周辺での脳梗塞などの脳卒中のリハビリについて、
急性期などの医療から介護保険や自費(保険外)リハビリについてまとめてみました。
脳梗塞などのリハビリの流れ
平成28年版厚生労働白書
図は、脳梗塞などのリハビリの流れについての説明です。
平成28年版厚生労働白書より引用しています。
図のように、リハビリは左から右への流れで実施されます。
下の方に赤で急性期・回復期リハと書かれています。
続いて、水色で生活期リハとされています。
赤は、医療で行われるリハビリのことを指しています。
水色は、介護保険で行われるリハビリのことを指しています。
つまり、急性期から回復期までは医療で行われますが、生活期は介護保険にて行われることになります。
医療と介護保険の違いと分担
医療と介護保険によるリハビリの違いと分担はどのようなものでしょうか?
先ず、大前提として重要なことがあります。
それは、上の図にも示されている通り、医療のリハビリには日数制限があることです。
この日数制限は、疾患ごとに異なります。
脳梗塞などの脳卒中は、180日が限度となります。
これは、平成18年から決まったことです。
つまり、脳梗塞などに罹ると、後遺症の有無や程度に関わらず、一律で医療のリハビリは半年で終了という国の決まりがあるのです。
では、次に医療と介護保険のリハビリの違いや分担について見てみましょう。
上の図で分かるように、リハビリとは、主に「心身機能へのアプローチ」、「活動へのアプローチ」、「参加へのアプローチ」というように分類されます。
「心身機能へのアプローチ」とは、機能の回復を目指すことです。
例えば、脳梗塞による片麻痺であれば、麻痺の回復を目指すことなどです。
一方、「活動へのアプローチ」とは、ADLと呼ばれるような日常生活動作などの向上のことを指します。
片麻痺であれば、必ずしも麻痺側の回復を目指さなくても、残された非麻痺側で訓練することによってかなり上手になる動作です。
「参加へのアプローチ」とは、病気や障害があっても、生きがいや役割を持てるように援助することです。
片麻痺であれば、麻痺の回復にあまり固執せずに、人としてできることに目を向けましょうというようなことです。
これらの三つの機能へのアプローチは、医療や介護保険のどちらで実施されるのでしょうか?
先ず、「心身機能へのアプローチ」を見てみましょう。
「心身機能へのアプローチ」は、急性期・回復期と生活期の両方にまたがっていますが、やや急性期・回復期よりに比重があることがわかります。
つまり、「心身機能へのアプローチ」では、医療のリハビリが重要ということになります。
一方で、「活動へのアプローチ」や「参加へのアプローチ」は、明らかに生活期に偏っていることがわかります。
つまり、ほぼ介護保険のリハビリで行うという図式になっているということです。
勿論、患者さんの状態によってケースバイケースで変わりますので、一概には言えません。
ただ、大きく分けると、医療のリハビリでは「心身機能へのアプローチ」、つまり身体機能を改善させることが主目的になることに対して、介護保険のリハビリでは、心身機能よりも日常生活動作や人としての生きがい作りが主目標になると言って良いでしょう。
では、次には、これらの医療や介護保険でのリハビリが、福岡県久留米市ではどのように実施されているのかをご説明しましょう。
福岡県久留米市周辺の急性期リハビリ
急性期リハビリの重要性
NHK健康chより
近年、特に急性期のリハビリの重要性が見直されています。
かつては、急性期では病状の安定を優先して、積極的なリハビリは二の次という時期もありました。
しかし、急性期で安静を優先させすぎると、廃用性障害という動かないことによる二次的な障害が増えることがわかっています。
廃用性障害とは、具体的に言うと、筋肉や関節の拘縮(こうしゅく)などです。
急性期では、廃用性障害を最小限度に止めつつ、身体機能などの回復を積極的に目指します。
急性期の明確な定義はありませんが、最近では図のように2週間程度とされています。
次には、福岡県久留米市周辺における代表的な急性期病院をご紹介します。
久留米大学病院
久留米大学病院は、高度急性期病院です。
がんなどを含む、様々な疾患の拠点病院です。
脳梗塞などの脳卒中に関連する、脳神経外科や神経内科などの診療科があります。
聖マリア病院
聖マリア病院は、カトリック系の医療法人が母体です。
急性期医療に限らず、保健・介護などを幅広く網羅しています。
そのため、急性期から回復期や生活期などの連携に優れていると言えるでしょう。
福岡県久留米市周辺の回復期リハビリ
回復期リハビリは社会復帰への要
回復期リハビリの主役は、回復期リハビリテーション病棟です。
回復期リハビリテーション病棟では、脳梗塞などの脳疾患は、150日を限度として入院できます。
さらに、高次脳機能障害と呼ばれる認知障害を伴う場合などは、180日を限度として入院できます。
回復期リハビリテーション病棟の最大の特色は、濃厚なリハビリテーション体制にあります。
大体、1日2時間から3時間の個別リハビリが実施されます。
また、多くの病院では、365日体制でのリハビリ提供が可能です。
回復期リハビリの主目標は、早期自立、早期社会復帰です。
医療のリハビリの範疇なので、急性期に引き続いて機能回復を目指す側面はあります。
しかし、それと同時に、非麻痺側などの残存能力をフル活用して、1日も早く日常生活が自立することを目指します。
また、自宅などへの復帰を想定して、入院当初から自宅訪問を行い、生活環境の調査を行うことで、今後の生活空間を想定した訓練を病棟内などでも行います。
リハビリ実施において、非常に有利な回復期リハビリテーション病棟ですが、一方で注意点もあります。
近年では、回復期リハビリテーション病棟の入院期間は徐々に短縮化に向かいつつあります。
そのため、片麻痺などの症状がある場合でも、非麻痺側主体で日常生活が自立すると、速やかに退院方向へ話が進む場合があります。
それにより、未だ回復の途上と思われる麻痺側上下肢へのアプローチが不十分なまま退院を余儀なくされるケースも少なくありません。
ここで言う回復期の「回復」とは、必ずしも身体機能の回復ではないことに注意が必要です。
福岡県や久留米市周辺においては、多くの回復期リハビリテーション病棟を有する病院があります。
以下に、リンクを貼りますので、是非参考にされて下さい。
福岡県久留米市周辺の介護保険リハビリ
退院後は介護保険リハビリに移行
リハビリ難民問題という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
リハビリ難民問題とは、2008年頃に、社会的問題にまで発展したものです。
そもそも、何故、このリハビリ難民問題が生じたのでしょうか?
それは、国の方針により、医療でのリハビリ終了後は原則的に介護保険のリハビリに移行しなければならないという決まりがあるからです。
一時的な暫定期間を経て、現在では完全にこの流れは定着しました。
つまり、急性期や回復期などを経て医療機関を退院したのちは、リハビリは介護保険下で実施されるということが規定路線となったのです。
2000年に始まった介護保険制度は、主に介護のための仕組みという印象が強く、どうしても医療的なサービスであるリハビリが充実していると思われにくかった状況があります。
介護保険制度も充実した現在では、必ずしもリハビリが十分ではないということはありません。
ただ、主な目的が医療でのリハビリとは異なり、日常生活の自立や生きがいの創出などに比重を置いていることは事実です。
そのため、どうしても、医療のリハビリのように身体機能の回復そのものを追求することが困難といえます。
このような背景から、リハビリ難民問題とは、現在もある程度は存在していると言えるでしょう。
介護保険でのリハビリは、主に、以下のようになります。
- 老人保健施設(入所)
- 通所リハビリ(デイケア)
- 訪問リハビリ
入所でのリハビリは老人保健施設
「介護保険施設」 公益財団法人生命保険文化センター
介護保険による入所施設には、老人保険施設、特別養護老人ホーム、介護医療院、介護療養型医療施設などがあります。
介護療養型医療施設は、すでに廃止が決まっており、介護医療院に引き継がれる形となります。
老人保健施設と特別養護老人ホームは、一見同じように見えますが役割が異なります。
老人保健施設は、病院から在宅復帰できなかったケースが、さらにリハビリや介護を受け続けることによって、自宅などへの退所を目指す施設です。
一方で、特別養護老人ホームは、介護老人福祉施設ともいい、基本的には終身利用が可能な施設です。
つまり、終のすみかとしての利用が可能ということです。
介護医療院や介護療養型医療施設は、上記の二つの施設に比べて医療ケアの必要性が高いケースが長期的に利用する施設という位置付けです。
これらの施設の中で、本格的に専門職のリハビリが提供されるのは老人保健施設だけです。
つまり、入所によるリハビリの場は老人保健施設が主ということになるのです。
通所でのリハビリは通所リハビリ(デイケア)
公益財団法人生命保険文化センター
次は、通所リハビリ(デイケア)についてです。
通所リハビリテーションを別名でデイケアと言います。
通所介護のデイサービスと間違えやすいので注意が必要です。
図のように、通所リハビリでは、理学療法士や作業療法士によるリハビリが必須となります。
病院から在宅復帰した場合、多くの患者さんにとっての第一選択がこの通所リハビリとなることが多いと思います。
その理由としては、
- 送迎付きのため家族による移動の介助が不要となること
- リハビリ以外にも入浴などの介護が受けられるため、在宅での家族負担を減らせる
- 1〜2時間などの短時間から1日利用の長時間までを選べるため、利用者・家族の両方において有用となりやすい
ことなどでしょう。
つまり、通所リハビリは、通所介護の利用者をお預かりする機能に加えて、リハビリなどの機能訓練が充実しているため、家族の介護負担と機能向上の両方を重視していると言えるのです。
しかし、一方で利用者によっては課題となる点もあります。
それは、リハビリの時間や量が物足りないと感じる可能性があることです。
図は、通所リハビリ(デイケア)の個別リハビリの時間を記載したものです。
加算の種類によって、少々異なることが分かると思います。
加算は利用当初の3〜6ヶ月のみしか適応されません。
長期利用になると、リハビリ時間は大半が20分程度というデータもあります。
ここで、もう一度、「医療と介護保険の違いと分担」に戻ってみましょう。
医療でのリハビリは、脳梗塞の場合、発症から180日という制限があります。
仮に、期限一杯まで入院して、その後に3か月間通所リハビリを利用したとすると、その時点で発症から9カ月ということになります。
つまり、発症から一年も満たない段階で、リハビリ時間は20分間程度にまで減らされるのが現状です。
これは、過去の現状を振り返っても、非常に速い段階でリハビリが少なくなるという印象です。
実は、日数制限が導入される以前は、リハビリ目的で数年間入院しているケースはそれほど希ではありませんでした。
その中で、60代以下などの比較的若い患者さんの中には、着実に回復を続けていた方もおられました。
このような、歴史的な経緯を考えると、やはりリハビリ難民問題は現在も存在することが分かります。
訪問でのリハビリは訪問リハビリ
続いて、訪問リハビリについても触れたいと思います。
介護保険では、入所や通所に加えて、訪問でのリハビリサービスも存在します。
自宅などから、通所が難しかったり、自宅で訓練した方が効果的な場合などに利用されます。
具体的には、通所リハビリなどへの集団参加が苦手なケースや、ベッド周りや浴室などの通所では自宅環境が再現しにくい状況下でリハビリを行うような場合です。
訪問リハビリの提供時間は、通所リハビリよりもやや長くなる傾向にあります。
ただし、現実的には、訪問リハビリの利用自体はあまり多くないことが現状です。
福岡県久留米市周辺の自費(保険外)リハビリ施設
福岡久留米で自費リハビリが必要な理由
ここまで、医療のリハビリと介護保険のリハビリについての現状をご説明しました。
医療においても、介護保険においても、リハビリにはある程度の日数の制限があることが分かります。
高齢社会の現代においては、医療や介護に要する社会保障費の抑制は、ある意味では国家的な課題と言えます。
そのため、国も知恵を絞って、予算を確保しつつも、どうしても削減せざるを得ない部分にメスを入れたのだと思います。
ただ、脳梗塞などの脳卒中へのリハビリを考えた場合、どうしても一定数のケースが現状の制度の間からこぼれ落ちていると思われる面もあります。
それは、比較的若い世代の患者さんや利用者さん達です。
統計では、脳卒中の約2割程度が60代以下というデータもあります。
また、就労世代の65歳未満に限っても17%程度であることが分かっています。
現在の制度の問題は、90歳の方にも40歳の方にも一律で日数制限などが適用されることです。
仮に、60代以下であれば、まだまだ復職して社会や家族のために働けるケースも存在します。
しかし、80代以降になると、そのようなケースはむしろ少数派と言えます。
脳卒中の復職率は約40%程度と言われ、これは20年間変化していないそうです。
現在から今後の課題でもある少子高齢化ですが、この一つの問題は生産年齢人口と呼ばれる15〜64歳までの人口の激減です。
内閣府「高齢化の状況」
上図で分かるように、今後は高齢者の数は横這いである事に対して、15〜64歳人口は激減します。
2020年で7400万人だったものが、2065年には4500万人まで減少します。
一人でも多くの脳卒中患者が社会復帰することは、日本経済全体にもメリットがあります。
比較的若い世代の社会復帰のためにリハビリの強化が望まれます。
そのためには、公的制度のみに頼るのではなく、自費リハビリの活用も重要になると思われます。
この件については、
福岡で脳梗塞の自費リハビリを探す|自費リハビリの上手な利用方
という記事が参考になります。
よろしければ、是非お読みください。
自費リハビリの選び方
自費リハビリの選び方としては、先ずインターネットでの検索が考えられます。
久留米(福岡)・脳梗塞・自費リハビリなどで検索すると、多くの事業所が検索されます。
それらの中から選ぶポイントを考えてみましょう。
福岡県や久留米周辺にて自費リハビリを選ぶポイントとしては、
自費リハビリの費用の相場とは|有名脳梗塞自費リハ事業所を徹底比較
という記事が参考になります。
よろしければ、ご一読されてください。
- 料金
検討対象として、先ず思い浮かぶのは利用料金ではないでしょうか?
自費リハビリですから、保険サービスよりも割高になることは避けられません。
有名なシンクタンクの船井総研というところから出ているレポートでは、20分間3,000円程度、60分間で10,000円前後が目安という報告があります。
船井総研
脳梗塞リハビリ業界 2023年時流予測レポート
- 利用料以外の費用も考慮
利用料以外の費用としては、交通費や駐車場代などです。
現在の状況では、自費リハビリ施設の場所は、どうしても都心部などに偏りやすくなります。
少し離れた地方から通う場合は、当然、交通費などが大きな負担となります。
利用料に加えて、それ以外の費用を考慮して施設を選ぶ必要があります。
- 時間コスト
移動にかかる時間コストも大きな問題です。
多くの患者さんにとっては、片道30分間を超える場合などは心身の負担にもなります。
- 交通手段に乏しい場合
地方から通う場合には、交通手段の問題もあります。
自家用車が使えない場合は、公共交通機関の利用になりますが、地方では都心部よりも不便であることが大半です。
- 家族負担に配慮が必要
遠隔から通う場合には、身体機能の状態によってはご家族による送迎が必要かもしれません。
ご家族が多忙な場合では、送迎や付き添いが困難な場合もあります。
- 訪問サービスがあるか?
移動手段や、移動にかかる費用や時間、家族負担などを考慮した場合、訪問サービスの利用が
望ましい場合もあるでしょう?
検討対象の事業所に訪問サービスがあるかどうか?の確認も重要なポイントとなります。
代表的な自費リハビリ施設
福岡市や久留米市周辺には、複数の自費リハビリ事業所があります。
代表的な施設を、3選ご紹介しましょう。
事業所ごとに価格設定や提供時間が異なりますので、料金については60分間あたりで計算してみました。
尚、情報はこの記事執筆時点でのものです。
変更がある場合も予想されますので、ご利用に先立っては必ず各事業所のHPなどを確認してください。
脳梗塞リハビリセンター
場所:福岡市西区マリナタウン
レギュラーメニュー:
1回150分 全14回 330,000円(税込)
60分間あたり 9428.6円
東京圏から全国に拡大中の脳梗塞リハビリセンターです。
訪問サービスにも対応しています。
脳梗塞リハビリステーション福岡
場所:福岡市中央区天神3-3-7 天神応順ビル7階
レギュラーメニュー:
1回90分間 全16回 302,500円(税込)
60分間あたり 12,604円
福岡でいち早くオープン。全国に関連施設があり、バンコクにも進出。
久留米市にもサテライト店あり。
久留米脳梗塞リハビリサービス
場所:久留米市・筑後市などへ訪問
レギュラーメニュー:
1回80分間 全8回 96,000円
60分間あたり 9,000円
久留米周辺を広域に訪問
久留米市、筑後市中心から30分圏内は交通費無料
福岡県には、他にも多くの自費リハビリ施設があります。
ご利用の際は、必ず各事業所のHPなどを確認してください。
また、多くの事業所では体験利用のサービスがあります。
先ずは、体験利用をおすすめします。
ちなみに、上記の3施設はいずれも体験サービスがあります。
福岡県久留米周辺のリハビリ施設|脳梗塞への自費リハビリとは?のまとめ
福岡県久留米市周辺での脳梗塞リハビリのまとめ
脳梗塞などへのリハビリは、急性期から回復期までは医療で行われますが、生活期は介護保険にて行われることになります。
福岡県久留米市周辺の急性期リハビリのまとめ
近年、特に急性期のリハビリの重要性が見直されています。
急性期では、廃用性障害を最小限度に止めつつ、身体機能などの回復を積極的に目指します。
福岡県久留米市周辺には、久留米大学病院や聖マリア病院などがあります。
福岡県久留米市周辺の回復期リハビリのまとめ
回復期リハビリの主役は、回復期リハビリテーション病棟です。
回復期リハビリテーション病棟では、脳梗塞などの脳疾患は150日を限度として入院できます。
高次脳機能障害と呼ばれる認知障害を伴う場合などは、180日を限度として入院できます。
福岡県久留米市周辺の自費(保険外)リハビリ施設のまとめ
今後は、公的制度のみに頼るのではなく、自費リハビリの活用も重要になると思われます。
自費リハビリ施設を選ぶには、利用料金やそれ以外の費用、時間コスト、家族負担などに考慮して、訪問サービスの有無についてもチェックが必要でしょう。